グッドデザイン2025 二次審査説明資料
戸建住宅群へと誘う
セパレートエントランスユニット
1.デザインが生まれた理由
「縦から横へそして戸建へ」
土地活用を希望するクライアントから渡されたのは、開発コンセプトの「縦から横」となる郊外型での開発としては余り見かけない3階建ての共同住宅計画でした。
計画地は、愛知県小牧市・名神高速道路・小牧インターからほど近くの場所です。
クライアントと協議し、某大手メーカーが作成した開発計画を「横から戸建へ」と変化させ各住戸のカタチを六角形にしたところで、クライアントと意思の疎通が生まれる実感を感じました。
「接道の問題がすべての始まり」
開発計画を進める中、近隣住民説明会を通じ近隣住民より道路使用制限が求められたことで接道問題が生じ、当初の戸建6棟の計画を「長屋3棟」(戸数は6戸)に変えることになり、接道計画は1方向からとなったことで、これまで進めて来た戸建住宅を別途のエントランスを設置して行う、セキュリティ型戸建住宅にすることを提案し、プランをやり直すこととなりました。
「敷地分割方法もセキュリティデザイン」
セパレートエントランスを設置するためには、各種法令をクリアする必要が生じました。
関係者と協議し、本来「一団地認定」で設置の許可が頂けるところ、消防法の規定をクリアする必要性を含め、土地を3筆に机上分筆して対応することで「将来的な譲渡時の問題」を「今」解決できると考え、最終的なプランニングを行いました。
2.デザインの効果
「セパレートエントランスユニットは戸建住宅問題の解決策」
現在の我が国の問題として、戸建住宅は犯罪に会いやすいと敬遠されることもあるようですが、今回の「戸建住宅群のセキュリティプラン」のように、敷地全体を塀や生垣で囲い敷地への入り口部分にオートロックシステムを用いた、セパレートエントランスを設置することで現状の戸建住宅の問題点の「安心」を解決します。
3.デザインの方向性
「戸建住宅群のセキュリティモデル」
今後、建物建築を行う際に建物プランニングとは別にセキュリティデザインと言う考え方をお持ち頂きたいと我々は考えています。
人口減少が叫ばれる今、都市部に設置されるような中層共同住宅が地方に建設されています。
セキュリティを考慮しますとこの流れは必然ですが、縦の構造のマンションを横にしたような、戸建建物群のセキュリティプランを行うことで、地域特性に応じた住まいの在り方が実現され、安心の戸建住宅が生まれると我々は考えております。
この、セキュリティプランプランニングと言う考え方を戸建住宅計画にご利用頂くことで、戸建住宅建設、特に賃貸住宅市場の新たな流れになって行くことを強く願っております。